このサイトは、ビジネスの成功に貢献したいと思っているHRのプロフェッショナルと組織マネジメントをより効果的に行いたいと思っているリーダーに対して、私の経験を共有することでお役に立つことを目指しています。
今回は、限られた時間の中で、組織を理解し、提案を作成・実行してビジネスの成功を実現していくためのタイムマネジメントについて、私なりのやり方を書いてみたいと思います。

私自身の経験ですが、通常業務を行いながら、上の図のReason to Exist(存在意義)からPromotion/Demotion(昇格降格)の中身を分析・理解し、現在起きている従業員のBehaviors(言動)やBusiness Success(ビジネスの成功)の状態を把握して、課題を特定したうえで提案を作成してステークホルダーを巻き込み、合意したアクションを実行して結果を出すことは、正直に申し上げて「時間がいくらあっても足りない」という状態でした。それに加えて、突発的な依頼事項にも対応する必要があり、緊急事態が起これば予定を変更して対処するということが日常的に起きていました。気づいたら一日が終わり、ただただ忙しいという言葉だけが頭に残っているという状態でした。
このような状況の中で、自分の役割に求められる以上の成果はもちろんのこと、役割に求められている成果でさえも出せていないのではないかという強迫観念に悩まされていました。世の中で得られる様々なタイムマネジメントのフレームやスキルを自分なりに試してきました。その中で、私に合うものにたどり着き、更に自分が使いやすいように改良したタイムマネジメントのやり方について共有したいと思います。もちろん、私にとって合っているやり方であるのですべての人に合うとは思いませんが、私の以前の状態のようにお悩みの方にとって少しでもご参考になればという想いでご紹介していきます。
私は、大きく2つの方法でタイムマネジメントを行ってきました。一つは、成果を出すために必要なタスクを週単位で考えることで、もう一つは、日単位で考えて実行することです。
週単位で考える
決められた期日までに成果を出すという働き方をしている方の中には、ガントチャートを活用されている方もいらっしゃると思います。私もガントチャートを参考にさせていただきました。縦軸にタスクをリストアップし、横軸に時期を入れて、どのタスクをどの時期に行うのかを明確にします。
次の「日単位で考え実行する」につながるのですが、私は、縦軸のタスクのリストアップは、なるべく細かい単位で行っていました。具体的には、実際のアクション単位でリストアップしました。イメージとしては、そのアクションが長くても1時間で完了できると想定できるくらいです。これによって、抜け漏れが少なくなったり、週単位でできるタスクの量をより正確に予測できるようになったりしました。また、次の「日単位で考え実行する」ところがより効率的にできるようにもなりました。
まずは、成果を出すために必要なタスクを考えられる限りリストアップすることに集中します。一端全部リストアップし終えたら、上から実行する順番に並び替えます。この並び替えている間にも漏れていたタスクが出てくることもあるので、そのタスクもリストに加えて順番に並び替えます。並び替えが終わると、「このタスクをやり切れば成果につながる」と思えるようになり、「成果を出すためにやらなければならないことが多い」という漠然とした不安を払拭できるようになりました。
次に、横軸の時間を入れていきます。横軸の単位は週単位です。8月の第1週、第2週のようにとります。最終的には「日単位」のスケジューリングにしていくので、ここでは、その週にどのようなタスクがあるのかを分かるようにしていきます。
そして、リストアップしたタスクをどの週に行うのかを決めていきます。最初に成果物を出す週を明確にします。リストアップしたタスクは実行する順番に上から並んでいるので、ここでは、一番下にリストアップされたタスクが、横軸の最終週になるようにします。私の場合はその部分を色で塗りつぶしました。その次は、リストアップしたタスクを上から順番に時期を決めて色を塗りつぶしていきます。
ここでよく起こったのが、上から順番に色を付けていくと、一番下にリストアップしたタスクを行う時期が、予定した時期に間に合わないということでした。この時点では、「普通に起こること」と認識して、その上で、「ではどのタスクの時期を調整できるか」という観点で再度色を塗り直し、予定した時期に完了できるように調整していきます。
また、複数のプロジェクトを同時に担当している場合には、同じシート内で管理していました。つまり、Aプロジェクトのタスクを上から下までリストアップしたその下に、Bプロジェクトのタスクを上から下までリストアップして、それぞれのタスクをどの時期に行うかを決めていきました。これによって、その週に行うタスクがより明確に把握できるようになり、物理的にその週で取り組めない場合には前後の週のタスクを調整することで現実的な予定を組むことにつながりました。
ここまでくると、このプロジェクトは成功できるという自信がもてるようになりました。
そして、実際にそれぞれのタスクを実行し始めた後は、週単位で振り返り、必要な調整を行っていきました。具体的には、予定していたタスクがその週で実行できたら、違う色で塗りつぶすようにしました。一方で、その週に予定していたタスクが実行できなかった場合には、次の週以降で行う時期を決めて塗りつぶしました。
日単位で考えて実行する
一端そのプロジェクトを成功させるために必要なタスクをリストアップして、実行する時期を決めたら、それ以降は週ごとに予定を作成します。
A4サイズを横長の向きにして、左側半分にその週に行うタスクをリストアップします。その際に、リストアップするタスクに番号をつけます。理由は後述しますが、番号でもアルファベットでもなんでもいいのですが、そのタスクを認識できるようにします。右側半分は日単位の枠になります。横軸に曜日を入れ、縦軸にWorking hourの時間を入れます。私の経験上では、30分単位で枠を作ると使い勝手が良かったです。例えば、9:00-9:30や9:30-10:00のように枠を設定します。
次に、左側にリストアップしたタスクを、右側の予定にプロットしていきます。例えば、1のタスクを月曜日の9:00-9:30で行う場合は、月曜日の9:00-9:30に↔と書いてそこに1と書きます。物理的にA4右側の枠は大きくはないので、タスクをそのまま書くのではなく、1のようにした方が実務的でした。同様に左側にリストアップしたすべてのタスクを右側にプロットしていきます。
プロットの仕方のポイントとしては、その週に必ず完遂しなければならないタスクを優先してプロットしていきます。更に、タスクの内容と自分の一日の状態を考慮して、プロットする場所を決めていきます。例えば、私は午前中のほうが考える仕事がはかどるので、その週に必ず行う必要がある、考えるタスクを午前中に優先的にプロットしていました。
ここで理想としては、一日の中で何も予定を入れない時間を確保することです。プロットした予定の時間内では終わらないタスクも出てくることに加え、予定はしていなかったがその週に行わなければならない仕事が入ってきたりするので、予定を入れない時間で対処することができます。
一端左側にリストアップしたタスクを右側にプロットし終えたら、後はそのタスクをその時間内で行うことに集中します。
途中で予定にはなかったが行わなければならないタスクが出てきたら、左側に追加し、右側にプロットするということをその都度行います。その際に、特に人からの依頼事項であれば、右側であいているところを意識して、「金曜日までであれば可能ですが、大丈夫ですか?」のように確認することができます。どうしてもその予定が合わない場合は、何も予定を入れないスロットを活用して、相手の要望に合わせて当初立てた予定を調整することもできます。
ここで重要なポイントは、右側に予定としてプロットしたところの隣に実際にかかった時間を記入するということです。例えば、月曜日の9:00-9:30で1のタスクを行う予定だったところ、実際に行ってみると9:00-10:00までかかったとすると、9:00-9:30で↔と1と書いた隣に9:00-10:00の場所に↔を書いて1と記入します。
1週間が終わったところで、その週を振り返ります。振り返りのポイントは、以下になります。まずは、どのようなタスクが予定通りにできて、どういったタスクは予定よりも早く終了できたり時間がかかったりしたのかを確認します。これによって、自分がどういうタスクだとどのくらいの時間がかかる傾向があるのかが分かり、次回以降のスケジュールを立てる際に参考になります。これを続けるとより予定の精度が高まります。また、予定より早く終えられるタスクの傾向が分かると、自分の強みに気づけたりします。一方で、予定よりも時間がかかることが特定のスキルのよるものだとわかると、その対応としてそのスキルに関するトレーニングを受けたりオンラインコースを受講したりすることで自らのスキルアップにもつながり、結果としてより短い時間で完遂することにつながったりします。
次に、予定していなかったタスクにはどのようなものがあったのかを振り返ります。例えば、当初から予定できていたが抜け漏れていたタスクであれば、自分の思考の癖に気づくことにつながり、次回からは最初から予定することができます。また、特定の人物からの依頼が多いという場合には、その人に事前に確認をするというタスクを加えることで想定外のタスクを減らすことにつながります。ポイントは、予定していなかったタスクを想定できるようになることで、事前に予定に組み込むことにつながり、自分で仕事をコントロールしているという感覚をより強く持てることで、自身のメンタルを健全に保ちやすくなったりモチベーションを下げる要因を少なくできたりします。
これらの振り返りを生かして、次の週のスケジューリングを行い、実行していきます。
以上のようなタイムマネジメントを行うことで、私の生産性は格段に向上しました。それまでは「いくらあっても時間が足りない」と感じていたところから、より多くのことに取り組めるようになり、成果の量・質ともに実感できるくらいより良くなりました。更に、自ら仕事をコントロールしている感覚が強くなり、よりモチベーションが高くかつ心穏やかに仕事をすることができるようになりました。
まとめ
今回は、タイムマネジメントについて述べました。具体的には、成果を出すために必要なタスクを週単位で考えることと、日単位で考えて実行することについて書きました。
ご覧いただきありがとうございます。今回のポイントが皆様の業務に役立つことを願っています。なお、この記事は私の個人的見解であり、所属組織とは関係ありません。
皆さんは、どのようにタイムマネジメントを行っていますか?
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