人事が知るべきビジネス理解のポイント

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このサイトは、私の経験を共有することで、ビジネスの成功に貢献したいと思っているHRのプロフェッショナルと組織マネジメントをより効果的に行いたいと思っているリーダーのお役に立つことを目指しています。

今回は、私が、ビジネスをどのように理解しているかについて書いてみようと思います。

 

商品・サービスの流れ

ビジネスを理解するにあたって、まず、商品やサービスの流れを理解します。

 

商品の流れの場合

商品の場合は、どのように企画され、実際に作られて、お客様に届けられるのかについて理解するように努めます。お客様のセグメントや代表的なニーズを理解し、そのニーズを満たす商品のアイデアがどのようにつくられるのか、そのアイデアがどのように試作品になるのか、その試作品が工場で生産されるようになるにはどのようなことが行われているのか、原材料の調達がどのようになされ、工場でどのように生産され、どのような物流の仕組みによって最終的にお客様の手元に届くのかについて大まかに理解するようにしています。

 

サービスの流れの場合

サービスも同様です。モノがない分工場での生産はないと思いますが、そのサービスがどのようにして生まれ、お客様に提供されるのかについて流れを理解します。

 

社員の理解

そして、その商品やサービスにかかわる社員が、自分たちの商品やサービスはどのようなお客様のどのようなニーズを満たしている(どのような価値を提供している)と理解しているのかについて把握するようにしています。下の図でいうと、一番上の「Business Success」の一つの要素になります。更に、競合の訴求ポイントと同じところや競合との差別化ポイントも理解しています。

 

社員の行動

商品・サービスの流れやお客様に提供している価値を理解することで、社員がどのような行動をする必要があるのかを想像することにつながります。上の図でいうところの「Behavior」ですね。この「Behavior」が明確になると、その行動がとられるような人事の仕組みづくりにつながっていきます。

 

お金の流れ

お金の流れの理解

次に、お金の流れを理解します。お客様から頂戴したお金が社内でどのように流れて社外に出て行っているのかの流れを理解します。財務諸表も理解を深めるのに役立ちます。会社としてのお金の流れもそうですし、自分がマネジメントをしている人事部門に割り当てられたお金が、どのように出て行っているのかを理解することも含みます。社員のお給料は大きな部分を占める一つだと思いますが、それ以外のお金がどのように出て行っているのかについても理解します。

 

人事部門の存在と成果

ここで、私が大切にしている考え方を共有したいと思います。それは、「人事部門の存在自体はコストだが、人事部門の成果は利益に貢献しているし、貢献すべきである」ということです。人事部門の存在自体は、主に人件費になります。一方で、人事部門の活動の成果は、売り上げを伸ばすことにも貢献するし、粗利を伸ばすことやコストを下げることにも貢献します。ひいては利益を伸ばすことに貢献します。逆に言うと、もし人事部門の成果が売り上げを伸ばすことにも粗利を伸ばすことにもコストを下げることにも貢献していないのであれば、人事部門はコスト削減の対象になってしまうのではないでしょうか。

 

ビジネスサイドの実感

理想としては、人事部門の成果を財務諸表の数字で語れるようにすることですが、一方で現実的には、人事部門の成果をすべて財務諸表の数字で測るのも限界があると私は思っています。なので、ビジネスサイドの人々が、人事は売上や粗利の増加やコスト削減へ貢献してくれている、利益の増加に貢献していると実感してくれているということを大切にしています。

そのためには、ビジネスサイドの人々とコミュニケーションをとって、例えば売上を伸ばすためにどのようなことに取り組んでいるのか、優先順位の高いことは何なのかを理解し、その実現のためにどのようなところに課題感をもっているのかを把握するようにしています。そして、その課題が生まれてしまっている原因を人事の仕組みの分析によって明確にして、ビジネスサイドの人々に提案して巻き込んでいき、実行をリードしています。

一方でビジネス環境やビジネス戦略を理解したうえで、人事の仕組みの分析に基づいて人事のほうから提案していくことも心掛けています。少なくとも自分たちが今行っている活動は、財務諸表のどこに影響するのかという意識をもって日々の業務に取り組んでいます。

 

具体的に理解する方法

商品・サービスやお金の流れ、お客様に提供している価値を理解する方法として、私の場合は、知っている人に聞くのが早いです。社内のステークホルダーとの1:1のときに聞くこともありますし、何かの機会でお会いした時に聞くこともあります。

理解を深めるにあたり、私のおすすめとしては、「実際に見てみる・行ってみる」です。例えば、営業の方に同行して実際にお客様を訪問したり、工場を訪問したり、店舗に立ってみるというようなことです。

 

営業同行の場合

営業同行の際には、訪問したお客様に実際に質問してみます。取引先に求めることや、他社で満足していること・満足していないこと、当社に満足していること・満足していないことを聞ける範囲で聞きます。ここで大切なのは、ビジネスリーダーに事前に営業訪問をして大丈夫かを確認することです。中には人事の人間がお客様を訪問することに懸念を持たれている方もいらっしゃるのは想像に難くありません。その際には、訪問の意図を明確にお伝えしたうえで、どこまでであれば大丈夫かを事前に確認することが重要です。実際に営業の方と訪問する際にも、私の訪問の意図を明確に伝え、どこまでであれば質問することが可能かを確認しておきます。もちろん、事前にその営業の方としての訪問の目的やそのお客様のことを把握しておきます。ここでは私が営業からキャリアをスタートさせていることが役に立っています。業界も営業のやり方も違うことが多いですが、それでもある程度話を聞くと、どういう感じなのか想定することができます。

 

工場訪問の場合

工場がある場合は、その商品がどのように製造されているのかを実際に見て理解を深めます。どういう工程があって商品ができあがるかを理解するように努めます。その際に、可能であれば実際にその工場での業務を経験してみます。はやり説明を聞くだけと実際に行ってみることは結構違います。やってみて初めてその業務の難しさも含めて理解が深まります。

 

店舗訪問の場合

店舗がある場合は、実際にその店舗に立ってみます。お客様がどういったご要望でどのような商品を選ばれるのかを実感できる貴重な機会になります。また、接客以外の店舗での業務にどのようなことがあって、どのように取り組まれているのかを理解することもできます。ここでも可能であれば実際に経験させてもらっています。

 

このようなことを通じて、顧客にどのような価値を提供していて、実際に顧客はどう認識しているのかを理解します。

 

営業同行や工場訪問、店舗訪問の際には、ご一緒する社員の方と気軽な話をしながら、働いて楽しいことや困っていること、サポートが欲しいことなどについても聞くようにしています。

 

商品・サービスの案

ビジネスの理解を深めることで人事戦略や施策を考えることにつなげていくことが主ですが、こういう商品を作ったほうが良いのではないかと思うこともあります。商品・サービスにかかわっている社員から聞いたことやお客様から聞いたことを総合すると、新商品・サービスの案を思いつくことがあります。人事という仕事上、商品に関する業務に直接かかわっていないがゆえに、より客観的にお客様視点で考えやすいこともあるのではないかと考えています。ちなみに、私が提案した商品が実際に商品化されたことがありました。その会社にとっては大きな規模の売り上げになったと記憶しています。

 

まとめ

以上今回は、私がどのようにビジネスを理解しているのかについて書いてみました。

具体的には、以下のことを書きました。

  • 商品やサービスの流れ
  • お金の流れ
  • 具体的に理解する方法

少しでも皆様のお役に立てば幸いです。なお、この記事は私の個人的見解であり、所属組織との関連はございません。

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