コミュニケーション改善で業績向上! HRの実践的アプローチ

L.ビジネススキル

このサイトは、ビジネスの成功に貢献したいと思っているHRのプロフェッショナルと組織マネジメントをより効果的に行いたいと思っているリーダーに対して、私の経験を共有することでお役に立つことを目指しています。

今回は、コミュニケーションについて書いてみたいと思います。人事の仕事をしていると、コミュニケーションがうまくいっていないために誤解が生じ、そこから発展した様々な問題に対応する必要があることがよくあります。例えば、「私は何度も伝えているのに、なかなか動きがない」「一緒に仕事をするのが難しいと感じることがある」、「なぜいつもあんなことを言うのか」などのコメントはよく聞かれるものだと思います。具体的な場面が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。これらの問題は、コミュニケーションが円滑に行われていないために発生することが多いです。

 

コミュニケーションとは

私は、コミュニケーションを「自分の求める行動を相手にしてもらい、相手が求める行動を自分が行うこと」と考えています。ここで行動とは、具体的なアクションを指すこともあれば、「知る」や「理解する」なども含まれます。相互理解と協力が不可欠であり、そのためにはお互いの期待や要望を明確にすることが重要です。以下に、私が実際に経験してきたことを踏まえて、コミュニケーションをより良く行うためのポイントとして、「相手に求める行動を明確にする」「同じ情報をみる」「理解の仕方が異なることを理解する」「意見と事実を分けて考える」という4つの観点について書いていきます。

 

相手に求める行動を明確にする

最初のポイントは、相手にどのような行動をしてほしいかを明確にすることです。私は、コミュニケーションを「自分の求める行動を相手にしてもらい、相手が求める行動を自分が行うこと」と考えています。そもそも相手に求める行動が明確になっていないために、相手がどのような行動をしていいのかわからないことから誤解が発生することがあります。

相手に求める行動を明確にして、それをしっかりと伝えることが重要です。相手に具体的な指示や要望を伝えないと、相手はどのように行動すれば良いのか分からず、誤解や混乱が生じてしまいます。例えば、上司が、部下の行動に違和感があるもののうまく言語化できない状態を考えてみます。その際に、上司も違和感がある一方で適切な言葉を見つけていないので、その違和感を伝えようとしてもなかなかうまく伝わらないです。そうすると、部下もどうすればよいかわからず、行動に変化は起こりにくくなります。まずは、自分は相手にどのような行動を求めているのかを明確にして相手に伝えることが大切です。

 

同じ情報をみる

次に挙げるポイントは、同じ情報をみることです。コミュニケーションのミスが起きる要因として、同じ情報に基づいていないことが挙げられます。それぞれ違う情報に基づいていると、そもそもコミュニケーションがかみ合わなくなります。コミュニケーションを円滑に進めるためには、同じ情報を共有することが不可欠です。同じ情報を共有することで、お互いの理解が一致し、誤解や誤伝達を防ぐことができます。

例えば、プロジェクトチームで、メンバーAとBが異なる情報に基づいて作業を進めていたとします。メンバーAは最新のデータを基にして計画を進めている一方で、メンバーBは古いデータを基にして作業を行っています。この状況では、最終的な成果物に食い違いが生じ、再度調整が必要になってしまいます。同じ情報を共有することで、メンバー間の理解が一致し、効率的にプロジェクトを進めることができます。

 

理解の仕方が異なることを理解する

次に挙げるポイントは、同じ情報を見ても理解の仕方が異なることです。これは、コップに水が入っている状態を、人によって「コップに半分も水が入っている」ととらえるか、「コップに半分しか水が入っていない」ととらえるかの違いと同じです。これは、個々のバックグラウンドや経験、価値観などが情報の解釈の仕方に大きく影響するためです。そのため、重要なことは、まず、同じ情報をみても人によってその情報の理解の仕方が異なることがあるということを理解して、その上で、その人がなぜそのような理解の仕方をするのか興味をもって把握するように努めることです。その人のものの見方や解釈の仕方の理解を深めるための質問をするのも役に立ちます。

例えば、「エンゲージメント」という言葉を挙げてみましょう。人によっては、エンゲージメントを「自ら積極的にかかわる」ことと理解している一方で、他の人はエンゲージメントを「その人が望むことが得られている」ことと考えているという状況に出会ったことが私にはあります。このように、同じ言葉でも理解する内容が異なることで、コミュニケーションのミスが発生することがあります。同じ情報を見ても理解の仕方が異なることを認識し、お互いの解釈を確認して、その解釈がどのような背景でなされたのかを理解することが重要です。

 

意見と事実を分けて考える

最後に挙げるポイントは、意見と事実を分けて考えることです。意見だけでなく、事実を共有することで議論の方向性が明確になります。意見と事実を分けて理解し、その上で、上で議論したように、事実が同じ事実に基づいているのか、同じ事実でも理解の仕方が違うのかなどの観点から整理をしていきます。

意見だけで議論すると、主観的な要素が強くなり、論点がずれてしまうことがあります。事実に基づいた議論を行うことで、より客観的かつ建設的な議論が可能になります。例えば、プロジェクトの進捗について意見が分かれた場合、メンバーAは「進捗が遅れている」と感じている一方で、メンバーBは「順調に進んでいる」と感じていることがあります。この場合、それぞれの意見がどの事実に基づいているのかを確認し、データや進捗状況を共有することで、客観的な議論が可能になります。また、同じ事実に基づいていたとしてもAは「遅れている」と感じ、Bは「順調である」と感じているとすると、その感じ方の違いはどこから来るのかを深堀していきます。意見と事実を分けて考え、事実に基づいた議論を行うことが重要です。

 

まとめ

以上のように、コミュニケーションを円滑に行うためには、相手に求める行動を明確にし、同じ情報を共有し、お互いの理解の仕方を確認し、意見と事実を分けて考えることが重要です。これらのポイントを実践することで、誤解や誤伝達を防ぎ、より効率的かつ建設的なコミュニケーションが可能になります。

このようなコミュニケーションの改善策を実践することで、ビジネスにおいても効果的な成果を上げることができるでしょう。コミュニケーションは、相互理解と協力を深めるための鍵であり、日々の業務において重要な役割を果たします。

最後までお読みいただきありがとうございます。今回の記事が、少しでも多くの人々の参考になれば幸いです。なお、この記事は私の個人的見解であり、所属組織とは関係ありません。

皆さんは、コミュニケーションを円滑にするために、どのようなことを行っていますか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました